親が亡くなって、実家が空き家になったという相談をよく受けます。何をしなければならないでしょうか?
まず現状認識ですが、土地建物の所有者(名義人)が亡くなるとその瞬間所有権は相続人(子供たち)に移り共有状態となります。ですので、子供は、土地建物の所有者(共有者)として管理責任を負います。
それを前提に、後日、相続人全員で話し合って、実家を含む遺産をどのように引き継ぐかを決めます。これを遺産分割協議といいます。この協議によって確定的に遺産の所有者が決まります。そうすると、実家を引きついた人が所有者として管理責任を負い、共有状態が解消され他の相続人は責任から解放されます。
このような手順・仕組みになるので、相続が開始したら(亡くなったら)速やかに遺産分割協議をしたほうがよいでしょう。ここのポイントは、相続人全員で行うことです。全員参加・全員一致が原則です。
なお、そもそもプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎたくないという場合には、相続放棄をすることができます。相続放棄は受理されると初めから相続人ではなかったことになるので、遺産分割協議に参加しなくてよくなります。
相続放棄は、相続を知った時から3ケ月以内に家庭裁判所に申述(申立)することにより行います。
田 中 裕 志